神話の法則テンプレート見本【育毛剤編】

 

※これはフィクションです

 

 

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1
日常の世界

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2
冒険へのいざない

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3
冒険の拒絶

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4
賢者との出会い

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5
第一関門突破

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6
敵との戦い・仲間との出会い

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7
最も危険な場所への接近

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8
最大の試練

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9
報酬

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10
帰路(帰る途中)

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11
復活

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12
帰還

 

 

日常の世界

10代の頃は、髪の毛は生えることが当たり前だと思っていた。シャンプーなんぞ邪道な物は使わない。体と一緒にボディソープで洗うのが基本っ。

だが、40代になった今…頭皮、つるピカハゲ丸君っ。

もはや髪を伸ばして隠すことすら困難な状態となった今、嫌いなものは鏡と人目っ。

出来る事なら、この現実から逃れたいっ。

だが、店のショーウィンドウに反射して見える自分の姿が、現実を突きつける。

ナ…何故だ…何故こんなにハゲてしまったんだ…。フサフサだったあの頃にはもう戻れないのか…。

 

冒険へのいざない

ハゲ人生に落胆していたある日、とある広告に目が釘付けになってしまった。

ハゲしいな!桜井くん状態のあなたに「爆毛サプリ【ボンバーヘッド】新登場」

ホホゥ…つるピカハゲ丸君の俺にも効果はあるのだろうか…。

 

冒険の拒絶

だが…騙されんっ。俺は今までにいくつものサプリを試してきた漢っ。

今回もまた、ネーミングだけのコケ脅しインチキサプリに違いない。

試してもいないサプリを、俺は詐欺サプリと勝手に判断し、今回は購入を見送る事にしたのだった。

 

賢者との出会い

会社には俺よりハゲていて、頭皮が鏡のように光っている、通称「ミラーマン」先輩が在籍しているのだが…。

ナッ…なにぃ…先輩に毛が生えてやがるっ。それもモフモフにっ。

ミラ…いや…先輩っ、髪の毛がボンばってるじゃないですか。いったいどうしたんですか。

いやぁ…たまたま買ったサプリ飲んだら、こうなっちゃってさぁ。

マジッスカ!そのサプリの名前を教えてくださいっ。

 

第一関門突破

ミラーマン先輩からサプリ情報を聞き出した俺は、そのサプリを購入する事にした。

身近な人間からの情報ほど、信頼できるものはないだろう。

そのサプリこそ、ボンバーヘッドだったのだ。

 

敵との戦い・仲間との出会い

サプリを飲み始めて1か月、チョロチョロとした毛が生え始めたが、それを馬鹿にする同僚が現れた。

なんだそのオバQ頭。プププププッ無駄無駄っ。オバQより桜井くんの方がオモロいっしょ。

コ…コイツ…殺るっ。

 

最も危険な場所への接近

年に一回、俺は本社に出向き、重要な会議に出席しなければならない。

そこには当然、若くてかわいい女性がたくさん在籍しており、知り合いの女性とも顔を合わせる事になる。

出来る事ならコロナで集合会議は中止にしてほしいっ。届けっ俺の願いっ。

 

最大の試練

このコロナ渦の最中、会議は予定通り開催される事になった。さすがブラックっ。

本社には、俺が気になっている受付の女性がいる。受付を通さないと本社には入れない。

見せたくないっ…見られたくないっ…この、途中半端な頭皮をっ。

どうか…どうか彼女が今日、いませんように。

 

報酬

会議当日、彼女は不在だった。どうやら風邪を引いたらしい。本当にただの風邪なのか…とは思ったが、彼女に頭皮を見られずに済んだことに安堵し、心の中でガッツポーズを取っていた。

だがこの時、俺の頭皮はフサフサし始めていた。

このサプリ…本当に効くんだ…。凄いぞボンバーヘッドっ。

 

帰路

会議を終えて帰路についた俺だが、街にはたくさんの人が歩いている。

フサフサし始めているとはいえ、世間ではまだまでハゲと呼ばれる状態だ。この状態は見られたくないっ。

俺は帽子で頭皮を隠したが、汗で髪の毛はワカメのようになっていた。

 

復活

それからさらに半年後、俺の頭は完全に10代に戻っていた。

フサフサモサモサが当たり前だった、あの頃に。

ショーウィンドウでさりげなく髪型をチェックする日々。今は鏡も人目もウェルカムだ。

ボンバーヘッドを教えてくれた先輩には、感謝しかない。

 

帰還

髪が有るのが当たり前、その日常が戻ってきて、髪を気にする事はなくなったが、髪以外にも変化があった。

それは、人に対して優しくなった事だ。

俺は同じくハゲで悩んでいる同僚の机に、こっそりボンバーヘッドのパンフレットを入れ、愛する妻が待つ我が家に帰宅した。

その妻とは…本社で受付していた女性なのだが…。

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